四柱推命には、持っているだけで人生の難易度が少し下がるような、ありがたい吉星がいくつか存在します。その代表格とも言えるのが暗禄(あんろく)です。
暗いという字が入っているため、何かネガティブな星かと思われるかもしれませんが、ここでの暗は、目に見えない場所や裏側を意味します。そして禄は、財産や幸福を意味します。
つまり、暗禄とは、思いがけない場所から幸運が舞い込む、目に見えない力に守られているという意味を持つ、非常に縁起の良い星なのです。
自分が努力していなくても棚ぼた式にラッキーが起こる、ピンチの時に不思議と助けが入る。そんな守護霊のような働きをする暗禄について、各柱にある意味や、複数持っている場合の運勢を詳しく解説します。
暗禄とは?具体的な効果と特徴
暗禄は、日干(自分自身)と、各柱の十二支の組み合わせから導き出されます。 この星が持つ主な効果は、以下の3点に集約されます。
1. 絶体絶命からの生還
人生で大きなトラブルや失敗に直面し、もうダメだと思った瞬間に、不思議と救いの手が入ります。 偶然知り合いに助けられたり、状況が一変して解決したりと、ギリギリのところで守られる運の強さを持っています。
2. 思いがけない金運(臨時収入)
正当な労働の対価(給料)以外での、予期せぬ収入に恵まれやすくなります。 親からの援助、遺産相続、宝くじ、あるいはプレゼントをもらう機会が多いなど、衣食住に困らない運勢です。
3. 人望と隠れたサポーター
本人が意図しなくても、周囲から好かれやすく、影ながら応援してくれるファンや支援者が現れます。 困った時に助けてと言える愛嬌や人徳が備わっている人が多いのも特徴です。
各柱にある場合の解釈
暗禄が年・月・日・時のどの柱にあるかによって、誰から助けられるか、いつ幸運が巡ってくるかが異なります。
年柱に暗禄がある場合
年柱は、祖先、親、そして幼少期を表します。
ご先祖様の加護と実家の太さ 先祖代々の徳を受け継いでおり、目に見えない大きな力に守られています。 また、実家が裕福であったり、親が非常に協力的であったりと、生家からの恩恵を強く受ける傾向があります。 幼少期に何不自由なく育てられたり、大人になってからも親からの資金援助を受けられたりと、人生のスタートダッシュにおいて非常に有利な配置です。
月柱に暗禄がある場合
月柱は、仕事、社会運、そして青年期から中年期を表します。
職場での引き立てとピンチ脱出 社会に出てからこの星の効果を実感することが多くなります。 仕事でミスをしても上司がかばってくれたり、リストラの危機にあっても自分だけ助かったりします。 また、有力者とのコネクションができやすく、実力以上のポジションに引き上げられることもあります。ビジネスにおいて、運も実力のうちを地で行くタイプです。
日柱に暗禄がある場合
日柱は、自分自身のプライベート、配偶者、そして中年期を表します。
最強の配偶者運と悪運の強さ 日柱に暗禄がある場合、その効果は自分自身とパートナーに及びます。 経済力のある相手や、精神的に支えてくれる素晴らしい配偶者に恵まれる可能性が高いです(逆玉・玉の輿の暗示)。 自分自身も非常に悪運が強く、九死に一生を得るような体験をするかもしれません。生涯を通じて、お金に困ることは少ないでしょう。
時柱に暗禄がある場合
時柱は、晩年、子供、部下を表します。
安泰な老後と子供の孝行 晩年になってから、経済的なゆとりや精神的な安定を得られます。 子供が成功して仕送りをしてくれたり、最後まで面倒を見てくれたりと、親孝行な子供に恵まれる暗示があります。 また、思わぬ遺産が転がり込んだり、趣味で始めたことが利益を生んだりと、豊かな老後を過ごせる吉星です。
暗禄が複数ある場合の意味
一つあるだけでも心強い暗禄ですが、命式の中に2つ以上ある場合、その守護力はさらに強固なものとなります。
一生食いっぱぐれない強運
どのような状況になっても、必ず食べるものと寝る場所だけは確保できるという、サバイバル能力(というより守られ能力)が極めて高くなります。 無職になっても誰かが養ってくれる、事業に失敗してもスポンサーが現れるなど、常識では考えられないような助け舟が出され続けます。
甘えと依存への警告
ただし、良いことばかりではありません。 助けられることに慣れすぎてしまうと、自分で努力をしなくなったり、他力本願な性格になったりするリスクがあります。 どうにかなるという楽観的な思考が行き過ぎると、周囲の人に迷惑をかけるダメ人間になってしまう可能性もあるため、自立心を忘れないことが大切です。
暗禄を持つ人の心構えと開運アクション
暗禄は、いわば運の貯金箱です。その恩恵を受け続けるためには、以下のことを意識してください。
1. 感謝を言葉にする
暗禄の助けは、人の縁を通してやってきます。 何かをしてもらった時、ラッキーなことがあった時に、当たり前だと思わず、しっかりと感謝を伝えることで、支援者はあなたを助け続けたいと思ってくれます。
2. 徳を積む(お裾分けをする)
自分が受けた恩恵を、自分だけで独り占めしないことです。 臨時収入があったら寄付をする、誰かにご馳走する。自分が助けられたら、次は誰かを助ける。 このように運を循環させることで、暗禄の輝きは失われることなく、一生あなたを守り続けてくれるでしょう。
3. 隠れた努力をする
暗禄は裏側の星です。人が見ていないところでの努力や、陰徳(ゴミ拾いなど)と非常に相性が良いです。 見えない場所で徳を積む人には、暗禄は最大のパフォーマンスで応えてくれます。
まとめ
暗禄は、あなたが前世や祖先から受け継いだギフトです。 この星がある人は、人生のセーフティネットを持っているようなものです。
不安になりすぎず、私は守られているから大丈夫という自信を持って生きてください。 そして、その余裕を持った心で周囲の人に優しく接すれば、あなたの人生はより豊かで温かいものになるはずです。

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